あまの謎
「あま」には、何かが隠されている。それは、直感である。
能のルーツを探る中で、たびたび出会ってきたキーワード、「あま」。
「あま」にはいつも、謎がつきまとう。
それはまるで能を通して、解明を求める声が聞こえてくるかのようだ。
不思議に思ったことは ありませんか? 「海」や「天」を、「あま」と読ませること。 「女」も「あま」、「海士」も「あま」と読ませる。 「雨」「甘」「尼」‥ これら、「あま」のひびきを持つ言葉達には、 一貫するイメージがある。 それは、美で寛容な、 全てを優しく受容し、生命を育む母性である。 |
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日本の漢字には、「音読み」と「訓読み」がある。前者は導入した文字の「音」を、そのまま輸入したもの。 後者はもともとあった言葉に、同じ意味の漢字を流用したもの。 本来の「やまとことば」は、音の響きが、そのままそのものの存在を表現するものであった。 「鳥」と他者に伝える為に、さえずり、はばたいてみせるように、事物の持つイメージを、 口から発する音の響きで現したのだ。 赤ん坊が生まれて、大きな産声を上げる。そして、口を閉じる。最初に発する言葉は、「A---M---A」。 世界の各地に、「A---M---A」の響きを含み、母や海を意味する言葉が存在する。 |
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海士氏の謎へつづく |